2011年10月5日チャペルアワー
「無駄な生命などないよ〜病児たちとの出会い〜」
(本日の聖書:イザヤ書第30章18節〜20節)
心臓病の子どもを守る京都父母の会「パンダ園」代表 佐原良子先生
佐原先生がパンダ園で病児のための保育をされ34年ほどが経ちます。先生は“授かった命”の素晴らしさを伝えることがご自分の仕事だと考えておられます。
佐原先生は牧師のご主人とご結婚され、家庭を築かれました。ご次男をご出産されたときは愛媛県の今治に住んでおられました。ほどなくご次男が心臓病であることがわかり、今治から京大病院に“民族大移動”のようにして通われたそうです。こういう生活を続けておられるうちに病院へ近いところへと思っていたらご主人が京都葵教会への赴任となられました。この長い移動や体の成長によりご次男の体への負担が増し、2回目の手術を受けましたがうまくいかず、3度目の手術をうけることとなりました。「神様はあなたにほかの病気の子ども達とここで歩んで欲しいと思っている。今しか聖書に書いてあることを伝えられない」と先生は思われ、子ども讃美歌を歌ったり、聖書の絵本を読んであげたりされたそうです。
結局、3度目の手術はうまくいかず、ご次男は植物状態になりました。先生は帰って教会の手伝いをすることが自分の仕事だと思っていらっしゃいましたが、「神様はこの辛い場所で辛い思いをしている人たちに共感できる者となりなさいと言われている」と思い直され、ご自分が病院でできることを探されました。ご次男が天に召された後、病児とその家族に寄り添うその活動がパンダ園のお手伝いとなり、やがてパンダ園は葵教会へと引っ越すことになりました。
先生は、病気はただ大変でしんどいものではなく、「神様が選んでくれたからだ」ということを伝えたい、聖書の言葉の様に病児や親に抱える希望をおくる絵本が欲しいと思われるようになりました。あるとき、先生はドイツの病気の子どもの絵本を書いているシンドラー氏に会われ、「日本には病気の子どもを励ます絵本がない」と聞かされました。そしてとうとう、自ら『かみさまのおてつだい〜ぼくびょうきでいいんだね〜』という病気の子どもは他の病気の子を助けるお手伝いをするために神様に選ばれた、という内容の手書きの絵本を描かれました。さらに、『うれしいときってどんなとき』という病児たちがいかにまわりを元気にしてくれているかを描いた絵本を出版されました。そして、昨年3月『サンタてんし3さい』を出版されました。一昨年11月になくなった小児がんの子どもがモデルとなっています。
病気になり苦しむことは子どもにとって新しい仕事を与えられるということ、私たち保育士の仕事は子どもたちの生命に寄り添うことだということを佐原先生はお教えてくださいました。本日は貴重なお時間を頂きお話を賜り、ありがとうございました。
学生の感想:
「絵本を通じて病気の子どもを励ますということはとても素敵だと思いました。子ども
たちの心に“絵本”で伝えることでスッと入っていくと思います。佐原先生の絵本がもっと広まればいいなと思いました。病気の子に限らず、病気のない子どもにも読んでほしいです。」(保育科2回生)
文責:保育科 花岡 貴史